2013年11月28日(木)、福岡市の福岡国際ホールで、アジアの記者7人と九州の報道機関の記者、幹部9人をパネリストとした第1回九州・アジアメディア会議が成功裏に開催された。九州情報リエゾンの呼びかけで、国連人間居住計画(ハビタット)福岡本部、九州経済連合会、福岡経済同友会、九州経済調査協会、九州商工会議所連合会が主催者として共催、「メディアがつなぐ九州とアジア」を総合テーマに、観光交流、都市交通を素材に議論を展開し、アジアと日本の相互理解と交流促進のあり方を探った。3部構成で終日に渡った議論は密度の高いものになり、議論の詳報は12月15日付西日本新聞に見開き紙面で掲載された。会場には日本側パネリストを含めてマスコミが25社34人、アジアのジャーナリスト7国(中国、韓国、ベトナム、フィリピン、インドネシア、タイ、インド)7人、経済界が33社40人、行政が10団体17人、領事館2人の100人が出席。これに麻生泰・九経連会長ら主催団体関係者約30人を加えると130人を超え、満席状態となった。
会議は深澤良信・ハビタット福岡本部長の開会あいさつ、麻生泰・九経連会長の歓迎あいさつにつ続き、前福岡県知事の麻生渡・福岡空港ビルディング社長が「九州とアジアをつなぐ課題」とのタイトルで問題提起を行った。第1部のテーマは「観光交流の促進に向けて」。椛島滋・西日本新聞経済部長の司会で、まず甚大な台風被害に遭ったフィリピンから参加したデイリー・インクワイアラー紙のバラナ記者を慰労、同記者から日本の救援活動への感謝が示された。テレビや映画による観光の魅力アップ、直行便増加など知恵が披露され、基本英語の習得の必要性が双方から指摘された。橋本昌典・九州運輸局企画観光部長と高橋誠・九州観光推進機構事業本部長がアドバイザーをつとめた。続いて、石原進・福岡経済同友会代表幹事(JR九州会長)から「メディア会議へのエール」が送られた。午後の第2部のテーマは「都市間交流の視点から見た都市交通の課題」。飯田和郎・RKB毎日放送取締役アジア戦略室長の司会で、福岡空港のハブ空港としての限界、九州域内については地方へのアクセスが不便など課題が指摘され、電車やバスのカラーやナンバリングで九州統一の表示の必要性が提起された。アドバイザーは橋本部長とともにベトナムで支援活動中の熊井強・西鉄計画部課長がつとめた。第3部は総括討論として「アジアの都市間連携とメディアの役割」を井芹道一・熊本日日新聞編集委員室次長の司会で議論した。メディアが文化交流などの報道を通じ、九州とアジアの相互理解を進める役割を担っていることを確認した。また中央とは違う地方の役割を強調する意見に賛同が寄せられた。
この会議は、九州情報リエゾンが九州の報道機関に呼び掛けて実施してきた九州マスコミ会議と、国連ハビタットが行ってきたアジア都市ジャーナリスト会議を合流させ、九州の国際化を進める経済界が主催に加わることで実現した。
<第2回九州・アジアメディア会議について>
今年(2014年)は、福岡市が実施している福岡アジア文化賞授与事業の25周年にあたることから、上記主催者に福岡市も加わって、「観光と文化による都市づくり」をテーマとして、12月4日(木)に第2回九州・アジアメディア会議を開催することが決定、現在、会議の詳細を調整中である。